樹るうのブログ~この樹何の樹~

漫画家・樹るうのブログです。 お仕事情報や、日々思い付いたことを書いたり描いたりしていきます。 よろしくお願いします!

漫画家樹るうのブログ。
単行本やイベントのお知らせなどなど、
ゆるっと書いていきます

タロットカード

1972年東京生まれ、3歳で茨城県に移住。
造成地と田んぼを駆けずり回って育つ。
東京純心女子短大(現在の東京純心大学)美術専攻科卒業後、何でもいいから絵を描ける仕事がしたいと漫画家に。
動物、
家族関係、神話をテーマにした物語を好む。
代表作「
ポヨポヨ観察日記」の他、アイヌ神話をテーマに取り入れた「二つの歌三つの物語」「ニャンコロカムイ」等、著書多数。
イラストレーターとしても活動。
2019年、ギャラリー「猫の額」での初個展開催を期に、かねてから愛好してきたタロットカードをオリジナル制作。
2020年、月刊誌まんがライフにて「チート転生した猫は嫁の膝で丸くなりたい」の連載開始。
2021年、ギャラリー「猫の額」で合同展「ニャー・シネマ・パラダイス」を開催。


お仕事のご依頼はrunpappa8888☆gmail.comまでお願いします。
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タロットカード

FullSizeRender

Amazonでの販売は終了しました。
初版がギャラリー猫の額さんで販売中(通販できます)。
残りわずかなので、ご購入はお早めに!


出版物
まんがライフ誌で絶賛連載中!
今のところ2巻まで出てます。


ポヨポヨ観察日記 1 (バンブーコミックス 4コマセレクション)
竹書房
2012-11-26

全15巻(完結)


















辰巳出版
2011-12-24

全5巻(完結)







他 ・遁走娘押し入れレビュー 全一巻(完結)辰巳出版
  ・ナチュラル・ハイ 全2巻(完結) コアマガジン

皆さん、こんにちはー。

のんびり書いてきたタロット制作の思い出記事も、ついに最終カードを迎えました。
テーマも最終回(?)にぴったり。

「世界」、「The World」。

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カードの意味は
「完成、
長旅の終点、
一体感の再生、
大団円、
終わりと始まり」
(一樹さんの解説から抜粋)

タロットカードは占いに使われるようになる前はゲーム用品だったと言われてまして、1番数が大きいこの「世界」が最強カードだったそうです。
ザ・ワールドというと、「ジョジョの奇妙な冒険」に出てくるディオ様の時間を止める技を思い出しますが、やっぱり最強だからあんなチート技が使えるのでしょうか。
ちなみに主人公承太郎は「星」の能力の持ち主です。
闇堕ちした最強の「世界」に、能力未知数の小さな「星」をぶつけてくるところが熱いですよね!
今日も息をするようにオタトーク全開です!

原典ウェイト版の「世界」では、月桂樹の輪の中央で両性具有の美人が踊ってますが、猫ちゃんはモフモフで性別が分かりにくいので、顔の半分が全然違う柄の子を描いてみました。
本当にこういう猫ちゃんいるんですよ。
右から見るとトラ猫(もしくはサビ猫)だけど、左から見ると黒猫で、瞳もオッドアイになることが多いそうです。
とってもおしゃれな毛皮の猫ちゃんですね。

周りにいる4匹の猫ズは四大元素を象徴する聖獣です。
赤い石のついた首飾りをしてる子が火、青が水、黄色が風、緑が土です。
(色も元素のイメージカラーに対応してます)
火にゃんは勇敢で明るい性格、水にゃんは優しくて甘えん坊、風にゃんは頭の回転が早く情報通、土にゃんは安定感があって頼もしい。
そんなイメージです🐱
猫ズの首飾りの珠、カラフルかつ大好きな宝石モチーフなのでそれは楽しく塗れたんですが、なんと位置を間違えて色を塗ってしまい、泣きながら線画から書き直したトホホな思い出…😂
アナログ絵描きはつらいよ!

「世界」のナンバリングは22で、ちょうど半分の11「運命の輪」と関係性の深いカードとされています。
「運命の輪」の記事の時に、世界観がつかめないと散々ぼやいた気がしますが、この「世界」のカードも抽象的なモチーフばかりで、即物的な私にはやっぱり世界観が掴みにくいです。
どっちも人間の作為から外れたところから影響を及ぼす「何か」の存在を感じる、不思議な雰囲気がありますよね。
なので、この2枚だけは飾り罫をつけて、特別感を演出。
アナログの絵でこういうのを描くとデジタル処理する時のトリミングが大変なんですが、こだわりとしてやらせてもらいました。

このカードで大アルカナワールドは卒業式を迎え、再び「愚者」としてアホ面を晒しながら次のステージに旅立つことになります。
このタロット制作記事もとりあえず今回で一段落ですが、チャンスがあれば小アルカナの世界に旅立ちたい!
枚数がアレなので、大アルカナを越える血ゲボ制作の世界になりそうですが(笑)
今は世界にゃんと一踊りしつつ、新たな展開を待とうと思います🎵

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「世界」と「魔術師」って、ステージパフォーマーのお守りカードになりそうじゃね?(何気に肉球バトンがお揃いです)


猫様の愛らしさで世界は完成されるッ!
猫好きの猫好きによる猫好きのためのタロットがこちら!!

皆さんこんにちは~。
復活愛してますか~~。

私は最近、永遠の推し・キャプテンハーロックへの愛が再燃しまして、関連作品の復習に忙しい日々を送っています。
松本零士先生は作品数が多く登場人物も多いためぐるぐる目になりそうですが、久しぶりに子供の頃大好きだった世界に触れて、今も変わらず大好きだなあ~と思いました。
「銀河鉄道999」と「宇宙海賊キャプテンハーロック」は私の感性を育ててくれた大切な作品です。
蒸気機関車が宇宙空間をシュポシュポ走るというロマンチックすぎる世界観について来れる方は、ぜひ一度ご覧下さい。
入門におすすめなのは、「銀河鉄道999」の映画版(さよならじゃない方)かな?
ハーロックも出てきます❤️

さて、以上の話は当ブログ記事恒例の「最近はまってる作品紹介コーナー」に見えますが、それだけではないのです。
今回ご紹介するカードのテーマが「復活愛」だからなんです。
タイミングばっちり。

「審判」、「Judgement」。

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カードの意味は
「復活、
努力が報われる、
初心に返る、
過去を乗り越える、
天に召される」
(一樹さんの解説から抜粋)

もう自分の中では死んだと思っていた何かが息を吹き返してくるような、ドラマチックなカードです。

このカードは、「生まれ変わるためのお着替え毛皮をもらった猫達」という要素を入れたい希望があったので、早々に原典のウェイト版と似た構図にすることを決めました。

お着替えする猫のアイディアは、個展の1年くらい前に「猫の額」さんのチャリティーオークション用に描いた、この絵↓から来てます。

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気に入ったネタは何度でも使う、エコの心。

審判天使にゃんのラッパの音に合わせて灰色だった野原が花畑になる…という世界観は名作ゲーム「大神」の、大神降ろしという技のイメージです。
とっても美しいんですよ。
本当に私は骨のズイまでアニメとゲームでできてます。

お花畑は、水彩で塗った草原にアクリル絵の具でお花を描き込みました。
アクリル絵の具は乾くと水に溶けなくなるので扱いに注意が要りますが、水彩絵の具との相性も良くて、このカードにも失敗隠しに、ハイライト効果に、とたくさん使いました。

アクリル絵の具をメインで使うならもっとつるっとしたケント紙が塗りやすいと思いますが、ケント紙の代表選手だったBBケント紙が生産中止になっちゃったんですよね。
デジタルアートも美しく便利ですが、アナログアートの技術が失われていくのは寂しいものです。
BBケント紙も審判のラッパとともに復活しないかしら。

あ、ちなみにこのタロットはウォーターフォードという紙に描かれてます。
水濡れや消しゴムに強く、滲み具合が最高ですよ!


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審判にゃんのラッパがチャルメラおじさんのラッパに見えて仕方ない世代です。 


審判にゃんが忘れかけていたときめきを思い出させてくれるタロットはこちら。

皆さん、こんにちは~。

今年の夏も太陽が燃えに燃えてましたね!
引きこもりの漫画家は直射日光を3分浴びただけで灰になりそうでした。
酷暑は辛かったけどあっという間に季節は巡り、ただ今窓の外から聞こえるのは秋の虫の歌声ばかり。
もう半月もすれば秋晴れが心地いい季節になり、このカードのような晴れやかな気分で空を見上げることが出来るでしょう。

「太陽」、「The Sun」。

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カードの意味は
「最高潮の創造エネルギー、
スポットライトを浴びる、
名声と人気を得る、
有頂天になる、
素晴らしい環境に恵まれる」
(一樹さんの解説から抜粋)

まさに太陽のごとく光輝いて注目を集めてしまう、華やかなカードです。
この「太陽」のカード、原典のウェイト版では白馬に乗った子供が描かれていますが、「Cat Paw Tarot」ではサイズ感を鑑みて、白犬に乗った子猫ちゃんにしてみました
世間の猫タロットにはよく犬が描かれてるので、私も登場させてみたかったんですよね。
太陽とワンコはよく似合います!
 子猫はお日様のような明るい赤トラブチで。
私、赤トラブチの猫ちゃんが好きですね。
毛皮どうしようかな~と思うと赤トラブチにしてる(笑)
赤トラブチの猫ちゃんて美人が多いイメージなんですよね…。
犬も猫も表情が豊かなので、笑顔を描くのが楽しかったです。

世界観は「星」「月」に続いてヨーロッパから離れ、南アメリカの太陽の帝国のイメージで描いてみました。
猫達の背後の石垣はマチュピチュの石積みを参考にしてみたりして。
お空に浮かぶ太陽にゃんも、アンデスっぽい顔にしてみました。
私が子供の頃「アンデス少年ペペロの冒険」というアニメが放送されていたんですが、それを見てからずっとラテンアメリカのファンタジー世界に憧れました。
黄金のコンドルに導かれ、記憶喪失の少女(実はエルドラドのお姫様)と共にエルドラドを目指すインディオの少年ペペロ。
ロマンですね!
この子猫とワンコも何かしらの冒険をやり遂げてきたのかもしれません。

余談ですが、この作品のとってもハートフルなOPテーマとEDテーマの作詞をしたのが楳図かずお先生と大人になってから知って、びっくりしました。

このカードは太陽やひまわりの黄色の他に、エネルギッシュな赤もイメージカラーになっているので、子猫に赤いポンチョを着せました。
個人的に、健康上の理由がない限り動物に人間のコスプレをさせるのはあまり好きじゃないです。
本人(?)が喜んで着てるならいいんですが。
動物達は服なんか着なくてもそのままで完璧に美しいのです。
ネズニーやピーター兎みたいに、人間ごっこをさせてカワイイ~!と誉めそやす感性が、なんか気持ち悪いなと思ってしまうのです。
(私の口も悪い!)
でもポンチョは犬猫にも似合う。
嫌がられるだろうけど、そっと被せてみたい…というこの矛盾した感情。
人間とは実に不可解な生物であります。

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太陽にゃんの元ではモヤモヤ雲も晴れ渡り、全てが明朗快活に。


太陽にゃんの光がどんなお悩みも明るく照らすタロットはこちら。

皆さん、こんにちはー。

一昨日は綺麗な満月が見れましたね。
日中の過酷な暑さを乗り越えた後に見る満月は、心にしみる美しさでした。

私は昔から月を見るのが大好きです。
個人的に1番綺麗に見えるのは、秋から冬の夕暮れ時だと思ってます。
茜色から藍色のグラデーションに染まった空に、淡い金色の三日月が輝いているのを見ると、しみじみ幸せを感じますねー。
太陽は眩しすぎて直視出来ないけど、月はいつまででも見つめていられます。
1人夜道を歩いていても、月が見えるとほっとします。

こんな具合に私にとって月は「とてもいいもの」なので、タロットで「月」にえらく不吉でモヤモヤしたイメージが与えられているのを知った時は、驚きました。
ホワーイ?

「月」、「The Moon」。

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カードの意味は
「不安定な心、
不吉な予感、
暗闇の中の恐怖、
トラウマに苛まれる、
得体の知れぬものに幻惑される
(一樹さんの解説から抜粋)

ふむふむなるほど。
私個人の月への思い入れはとりあえず置いといて、こういう世界観の月なのね~どれどれ~と描いたのがこの絵です。

この絵の構図も原典ウェイト版に寄せてありますが、原典ではさらに月を見上げて吠える狼とワンコがいるんですよね。
狼もワンコも大好きな動物なので描いても良かったんですが、ただでさえ不安な時に「怖い!ヤバい!!ヤバいよ!!どうなるの!?これからどうすればいいの、ねえ!!?」って耳元でぎゃんぎゃん吠えるやつがいたら、ぶん殴りたくなりませんか?😅
私は不安定な気分の時、なるべく雑音を避けて1人で気持ちを落ち着けたいタイプなので、このカードも静かな絵にしました。
不安な時は誰かと手を取り合って、「こわいねー!こわいねー!!」ってキャーキャー言う方が落ち着く人もいるだろうから、そういう場合は狼とワンコのいるカードの方が賑やかでいいでしょうね。
私個人の人生観を投影した「月」なので、不満な方は他のカードをお使い下さいね~。

「月」はテーマ的にも水彩絵の具の滲み効果がよく映るだろうと思ったので、滲みを主役にするつもりで塗りました。
水で濡らした紙に色を置いた後、少し乾いてきたタイミングで水を含ませた筆を画用紙の上空で軽くトントン叩くと、画面に水滴が散って絵の具が水玉状に滲む技法があります。
それから、やはり色を置いた後に塩をパラパラ撒いて、不定形な小さな滲み模様をたくさん作る技法もあります。
これらを併用して、月、夜空、地面、水面を描きました。

月にゃんはグレーの毛皮一択だと思ったのですが、隠者にゃんのような無彩色ではなく、背景の紫を帯びた柔らか色に。
ロシアンブルーみたいな感じかな。

画面奥に見える門は、中央アジアのイスラム建築やインドの建物をイメージしました。
月はアジアの世界観によく似合いますね。

これまでの社会では常に一定のテンションやパフォーマンスを保つのがいいとされていたから、満ち欠けでころころ形が変わる月は不安定で不実なものと思われてたんでしょうか。
でもナマモノである人間に「永遠不変の品質」を求める価値観は、もはや限界を迎えている気がします。

自分は月のように、毎日思いも言葉も行いも見た目すら変わる、不安定で不実な生き物なのだ。
そう認めることが新しい時代を受け入れるヒントになる気がします。

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眩しい太陽にゃんに話しかけられて、もじもじしつつも一緒に光る月にゃんの図。


ザリガニさんと一緒に毎日お月見ができるタロットはこちら。



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